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百音が見つけた「大切なものを守る時間」を作るとは?『おかえりモネ』菅波が肯定したモネの「迷う時間」2021.7.15

”モネ”こと、主人公の永浦百音(清原果耶)が、晴れて気象予報士試験に合格し、これからの展開がますます楽しみになってくる朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』

 

そんな彼女を合格に導いたのは、モネの揺らぐ思いをずっと支え続けた菅波光太朗(坂口健太郎)の力が大きいだろう。

 

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第6週「大人たちの青春」では、モネの父、耕治(内野聖陽)と母、亜哉子(鈴木京香)の馴れ初めを知る人物、”トムさん”こと、田中(塚本晋也)を中心に物語が進んでいった。

トムさんは病に侵されており、もう延命治療はしなくて良い。そう思っていた。

そんな折、モネや菅波、森林組合の人々とやり取りを交わし、自身の思いや耕治と亜哉子の馴れ初めをモネに話すなどする中で、まだ生きたいとも思っている胸中が明かされる。

 

その気持ちを知ったモネが、積極治療を望まない人に対しては深入りしないと言っていた菅波に発破をかけ、菅波がトムさんを訪ねるのだが、そこで、モネにとって菅波が必要であった事が分かる言葉がある。

菅波は、トムさんにこう言うのだ。

「本心なんてあってないようなもの、人間の気持ちなんてそんなもんです。でもいいんです。「一日でも生きたい」「もう終わりにしたい」と毎日言ってることが変わっても。固定概念や意地や罪悪感のために、結論を急ぐようなことはやめて、本当に自分がそうしたいと思う方にいつでも進路を変えられるような選択をしませんか?」

この言葉は、菅波の隠された本心でもあり、それはモネへとのやり取りの中でもそれが垣間見える。

 

「森や木の仕事もしたいし、尊敬するサヤカ(夏木マリ)さんを支えたい。それが自分のできることなのかも。でも、出会ってしまった。ものすごく心魅かれるものに。出会う人、皆が私を引きずり込もうとする。」

そう菅波に吐露したモネ。思えば、気象予報士試験を志してから、いや志す前からずっと迷ったり、悩んでいた気がする。

そんな時、いつもそばにいたのは菅波だった。

「誰かに話す事で考えがまとまるという事はよくある。」

そうモネの”迷い”を肯定することで、気持ちの整理の手助けをした事もあった。

第8週「それでも海は」で、幼馴染の亮(永瀬廉)、そしてその父、信次(浅野忠信)の心に未だに残る震災の傷に触れ、「何もできない」事に涙していたモネが菅波に電話した時も、

「(どういう訳か)さっぱり分からないので、大変不甲斐ないですが、建設的な回答は何一つ出来ません。ただ、回答できない分、聞くことは出来ます。何かありましたか?」

と、返答した。それを聞いたモネは、どこかとても救われたような表情だった。

 

菅波はモネに適当な叱咤をするのでも、慰めをするのでもなく、ただただ聞く事で、彼女に「迷う時間」を与え、彼女を助けていたのだ。

 

 

つい人は結論を急いだり、答えを一つに絞ろうと一人悩んでしまう。

だが、そこに「ゆっくりでいい。考えが右往左往してもいいよ。存分に迷えばいい。」と何も言わずそっと話を聞いてくれる人がいれば、どれだけ心強く、前に進めるか。

 

そして、菅波が「迷う時間」をモネに与えた一方で、もう一人のヒーローであり、モネの天気への興味のきっかけでもある朝岡(西島秀俊)がモネに伝えたのは「大切なものを守るための時間」だった。

 

第7週「サヤカさんの木」では、朝岡が、部下の気象予報士、野坂(森田望智)と内田(清水尋也)を連れて、再びモネの元を訪れた。

そこで、二人の気象予報士の実際の仕事ぶりをモネは初めて、目の当たりにした。

そこで朝岡が部下に説いたのが、気象におけるリードタイムについてだ。

「通常、リードタイムは短い方がいい。だが、気象は違う。私たちが提供するのは、起用にまつわる数字と、時間。備えるための時間を提供する事で、安全、快適、利益をもたらす。」

 

「リードタイム」とは、生産や物流において使われる用語で、製品が発注されてから納品されるまでの時間のことを言うそうだ。

気象におけるそれは、花粉が飛散するまで、河川が氾濫するまでの時間を言う。

要するに、それまでは、危険を予測し回避する時間が得られるということだ。

気象予報士は、その時間を気象予報によって生み出すことが出来る。

つまり、気象予報士は「大切なものを守る時間」を作ることで、人の命を守り、人の役に立つ仕事なのだ。

 

2011年3月のあの日から、これまで漠然と誰かの「役に立つ」事を念頭に求めてきたモネ。そんなモネは、とうとう「役に立つ」ための資格と方法を手に入れた。

ここまでモネの「役に立ちたい」という漠然とした思いを守り続けてくれた人、それは間違いなく菅波だ。

モネにとっての「役に立つ」人=ヒーローは、「大切なものを守る時間」=過去と向き合い自分と向き合い悩みながらも、そばで話を聞いて「迷う時間」をくれた菅波だったのだ。

そして、そのヒーローはモネがあの日から希求していた理想の姿に重なるのではないか。

誰かが悩んで苦しんでいるなら、話を聞き「迷う時間」を肯定してあげたい。

あの時は出来なかったけど、今度こそ自分の「好き」で誰かを守りたい。

あの時、駆けつけられなかった”時間”を作って、誰かの大切なものを守りたい。

モネの「ヒーロー像」が明確になった瞬間だった。

 

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さて今週、第9週「雨のち旅立ち」を経て、次週からはモネが気象予報士として一歩を踏み出す。

本日の放送では、以前、気象予報士森林組合どちらを選ぶか迷っていたモネに「悩む前に資格を取らないと」と言っていた菅波が、モネが決意を決めた事で、菅波自身もこれまで通り登米で、今まで躊躇っていた訪問診療にかかることを決意した。

「僕は何かを考える前に手が動かないといけない」

モネを見て菅波も成長していく。支え合い媚びない二人の関係性がとても心地よかった。だがここから菅波とモネが男女としてどうなるか?やはり皆そこが気になるのではないだろうか。

これからはモネ自身がかつて失くした「音楽」と、かけがえのない存在「菅波光太朗」という「好き」を自分自身で「好き!!!」とありのままに言えるように、「大切なものを守る時間」を提供する存在として成長する事を願うばかりである。

 

 

【過去記事】

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